ミエロのひとりごと

いつかポジティブに…!

あしあと

今週のお題「お気に入りの一着」








お題を見ると答えたくなってしまう癖?がある。

たぶん暗くなるのかもしれないから、盛り上げようという意思だろうお題に申し訳ないのだけど、



私はあまり服に詳しくない。着れればいい、みっともなく見えなければいい、似合えばいいかな。という感じで、いつも選んでいる。組み合わせとかは苦手だ。首に少し重みがある、帽子つきのパーカーは好きだけど。



お気に入りの“一着”と言ったらなんだろう。

パーカーと言えば種類全部。となるから当てはまらないだろうなと思った。


そうして考えていたら、ずっと大切に箪笥に仕舞っていた服があることを思った。

白いTシャツで、胸の辺りにキャラクターが描かれたシャツだった。そのシャツには、腹より下辺りに足跡がついている。
亡くなった飼い犬がつけた足跡だ。

中学の時、帰り道にいた飼い犬を抱き上げた時にできた足跡だ。

あれが最初で最後に抱き上げた時だと思う。
気がつけば私と同じくらいの大きさだったから。
それで、抱き上げるよりは自分の足で走りたいという犬だったから。

抱き上げた時、抵抗はなかった。
腕の中におとなしく収まってる姿に複雑な気分になったのを覚えてる。

歩きながら、雨の日に傘を持って一緒に何時間も座ったのを思い出したと思う。

水が苦手な犬だったから。水しぶきも嫌なんじゃないかと思ったら、気づけば傘を持って隣に座ってた。
二人でぼーっと壁にもたれてた。

周りから見たら変だっただろうけど、その時はそんなこと考えつかなくて、ずっとぼーっとしてた。

雨が降ってない時でもぼーっとしてたことはよくあった。

たまに頭を撫でたら、催促するように頭を押し付けてきた。それをただ撫でてた。

餌をあげる時間も好きだった。

散歩は自由にさせてた。



飼い犬を抱き上げた日から少し経って、私の隣はいなくなった。

泣きはしなかった。ただぼーっと見てた。

笑っているような顔の犬だった。舌を出したらもっと笑ってるみたいで、つられて笑ったことがあった。

でも、その時は目も細められてないし、口も開いてなかった。

その表情しか思い出せなくて、写真の中の笑ってる犬を見ても、そんな顔したことあったっけ。と真実味がないんだけど、



それから少し経って、洗濯から返ってきた服に足跡がついてるのを見つけた。

私はどんな感情を持ったか、覚えてないのだけど、飼い犬はちゃんと存在していたのだと思ったような気がする。

その証拠に私はその服を大事に仕舞っている。
たまに気づいてそれを眺める。

たぶん、これが「私のお気に入りの一着」だと思う。